<strong>Deep Logic Prompt</strong>機能:複雑な条件分岐と高度なAI挙動制御
If-Thenルール・思考モード切り替え・複数条件の組み合わせを活用する「Deep Logic Prompt」機能を使って、複雑な条件分岐・業務ルールの強制・高度なAI挙動制御を実現するプロフェッショナル向け設定手順を解説します。
「ナレッジは登録した、性格も設定した。なのに AI が思った通りに動かない」——AI チャットを少し深く使い始めた運用者が必ずぶつかる壁です。
回答内容は正しいけれど、行動の優先順位や場面ごとの振る舞いを制御できていない、という状態です。
Socrates(ソクラテス)のDeep Logic Prompt機能は、AI の挙動に対して「もし◯◯なら△△する」という条件分岐や、回答の優先順位、越えてはいけない一線を、日本語で明示する仕組みです。ナレッジという「知識」に、Deep Logic Prompt という「知恵」を加えることで、AI が単なる情報提供者から「ブランドの意志を汲み取った代理人」へと進化します。

「指示だけ」では制御しきれない 3 つの場面
1. 場面ごとに「正しい答え方」が違う
例えば「料金について」という質問でも、新規顧客には基本プランを案内し、リピーターにはアップグレードを提案したい、という場面別の振る舞い分岐が必要なケース。シンプルな指示文では制御しきれません。「いい感じに答えて」という抽象的な指示では、AI は毎回平均的な回答を選択するだけです。特定の場面で特定の行動を強制するには、条件を明示する仕組みが必要です。
Deep Logic Prompt は、「もし〜なら〜する」という if-then の論理を日本語で書き下すことで、AI の挙動を文脈に応じて切り替えます。プロンプトエンジニアリングの知識がなくても、業務マニュアルを書く感覚で設定できます。
2. 「AI が答えてはいけない領域」を確実に守らせたい
医療・法律・税務など、AI が確定的な判断を出してはいけない領域があります。「答えない」という挙動を確実に守らせるには、ルールを明文化したガードレールが必要です。「ナレッジに書いていないから答えない」という消極的な制御ではなく、「この種の質問が来たら必ず専門家への相談を案内する」という積極的な行動指示が、安全運用の核心です。
ガードレールがないまま運用を続けると、AI が誠実に答えようとするほどリスクが高まります。Deep Logic Prompt で越えてはいけない一線を最初に設定することが、安心して AI を拡大運用する前提条件です。
3. 複数の情報の「優先順位」をつけたい
キャンペーン情報・通常メニュー・季節限定オファーが同時にある場合、どれを最初に提示するかで成約率が変わります。「今月はこれを推す」という優先順位の意志を AI に渡したいケースです。AI は指示がなければ、ナレッジの中で均等に情報を扱います。ビジネスの文脈で重要な情報を前に出すには、明示的な優先順位の指定が必要です。
Deep Logic Prompt で書ける 4 つのパターン
パターン1. If-Then-Else 条件分岐
AI に対して特定の条件下での行動を明示的に強制できます。条件は日本語の自然文で書けます。
- ・ もし、お客様が『予約』という単語を含めたら、詳細に答える前に必ず予約リンクを提示してください。
- ・ もし、お客様が競合他社の製品名を出した場合は、比較することなく自社製品の強みのみを答えてください。
- ・ もし、AI が答えられない質問を受けたら、謝るだけでなく必ず担当者への連絡先を案内してください。
- ・ もし、お客様が苦情・クレームの言葉を使った場合は、まず共感を示し、担当者からのご連絡を案内してください。
条件の書き方に決まったフォーマットはありません。「〜の場合は」「〜という言葉が出たら」「〜と聞かれたとき」など、日本語で自然に書いた条件を AI が解釈します。業務マニュアルの「対応フロー」を書く感覚で設定できます。
パターン2. 優先順位の指定
情報の出し方にも優先順位をつけます。「複数の答えがある場合、まずは『キャンペーン情報』を優先し、その後に『通常メニュー』を紹介する」といった指示で、ビジネスが今最も打ち出したい情報を AI が自律的に押し出します。
優先順位は時期によって変えることができます。「今月末まで春キャンペーンを優先案内する」という期限付きの指示も有効です。管理画面から即座に書き換えられるため、週ごとに推す情報を切り替えるといった運用も可能です。
パターン3. ガードレール(越えてはいけない一線)
「医療診断・治療方針の提示は行わず、必ず医師の診察を案内する」「料金確約・契約条件確約は行わず、見積もりは個別対応へ誘導する」など、AI が踏み込んではいけない領域を明文化します。
これがあるかないかで、業務上の事故リスクは大きく変わります。守るべきラインを最初に固めるのが安全運用の基本です。ガードレールは「禁止事項」だけでなく、「禁止された場合に代わりに何をするか」まで書くことで完成します。禁止だけ書くと AI は沈黙するだけになります。
パターン4. ティア別の振る舞い切り替え
会員ティアに応じて応対を変える指示も可能です。「Tier 3(プレミアム)のお客様には『〜でございます』と丁寧語で対応し、優先的なサポートを提案する」「Tier 1 のお客様には簡潔で実用的な回答を返す」など、顧客セグメントに応じた接客の自動切り替えが実現します。
ティアはCRMで管理され、AI はログイン中の顧客のティア情報を参照します。ティア別の振る舞いを Deep Logic Prompt で定義しておけば、同じ質問をされても Tier 1 と Tier 3 で異なる応答が返ります。
Deep Logic Prompt の書き方のコツ
- ① 1 ルール 1 行で書く
「もし〜なら〜する」を 1 行ずつ書くことで、AI が解釈しやすくなります。長い段落で書くと優先順位が曖昧になります。箇条書きで「・もし〜」「・〜の場合は」と整理すると AI は正確に読み取ります。 - ② 「禁止」と「推奨」を明確に分ける
「〜してはいけない」「〜してください」を区別して書くことで、AI が守るべき強制力の強さが伝わります。「できれば〜してください」という曖昧な表現は、AI には弱い指示として受け取られます。 - ③ 例外条件も明文化
ルールに例外がある場合は「ただし〜の場合は〜する」と例外も書きます。例外を書かないと AI は混乱します。業務上よくある例外パターンを書き添えることで、想定外の応答を減らせます。 - ④ 優先度の高いルールを上に書く
詳細な接客指示 の上限は 3,000 字です。優先度の高いルールをファイルの冒頭に配置することで、文字数制限に近づいた際にも重要なルールが優先されます。
Deep Logic Prompt の運用ステップ
- Step 1. 業務上の「場面リスト」を書き出す
「よくある質問」「答えてはいけない質問」「特定のお客様への特別対応」「CTA を出すタイミング」を箇条書きで整理します。これが Deep Logic Prompt の設計図になります。 - Step 2. if-then 形式に変換する
場面リストの各項目を「もし〜なら〜する」の形式に書き換えます。難しく考えず、新人スタッフへの引き継ぎメモを書く感覚で OK です。 - Step 3. 管理画面に入力してテスト
管理画面のチャット画面で、実際のお客様役として質問を投げて応答を確認します。境界線のケース(攻めの質問・脱線質問)を意図的に試すことが重要です。 - Step 4. 月次で見直す
運用初期は週 1 回、安定後は月 1 回の見直しを推奨します。お客様の質問傾向の変化に合わせて、ルールも進化させていきます。
よくある質問
Q1. 文字数の上限はありますか?
詳細な接客指示の上限は 3,000 字、Deep Logic Promptは 2,000 字です。優先度の高いルールから順に書くことを推奨します。文字数を超えた部分は切り捨てられるため、重要なガードレールを冒頭に配置してください。
Q2. ルールが守られなかった時はどうすれば?
実際の応答を確認しながら、指示文の表現を強めたり、ルールの順序を入れ替えて検証します。「絶対に」「必ず」など強い語感の使い方も効果があります。それでも守られない場合は、その条件をより具体的に書き直すことで改善できることが多いです。
Q3. プロンプトエンジニアでないと書けませんか?
不要です。日本語で「こういう時はこう答える」という業務マニュアルを書く感覚で OK です。AI エンジニアの知識は前提として求められません。実際に多くの運用者が、自分で設定を書いて改善を繰り返しています。
Q4. ナレッジと Deep Logic Prompt の役割の違いは?
ナレッジは「何を知っているか(知識)」、Deep Logic Prompt は「どう行動するか(判断ルール)」です。ナレッジに料金表を登録し、Deep Logic Prompt で「料金の確約は行わず個別見積もりへ誘導する」と書く、という組み合わせが基本です。
Q5. 複数の条件が重なった場合はどうなりますか?
AI はすべての条件を読んだうえで、文脈に最も合う行動を選択します。優先順位が重要な場合は「以下のルールは上から順に優先する」と冒頭に明記することで、AI の判断が安定します。
Deep Logic Prompt は、AI エンジニアがいなくても日本語で「論理的な指示」を書くだけで実行可能です。
ナレッジという「知識」に、Deep Logic Prompt という「知恵」を加えて、AI を本物の代理人に育てていきましょう。
導入前に決めておきたいこと
Deep Logic Promptは長い指示文を書くための機能ではありません。質問の条件と、条件に応じて変える回答・次の行動を整理するために使います。
予算・導入時期・担当者への相談希望など、会話中に判断できる条件を定義し、それぞれの案内を一つずつ用意します。 重要なのは、機能を有効にすることではなく、誰がどの情報を更新し、どの相談を人へ渡すかを運用として決めることです。
最初に整理するチェック項目
- ✅ AIに任せる相談と、担当者が判断する相談を分ける
- ✅ 回答の根拠になる情報と、その更新担当を決める
- ✅ お客様が次に取る行動を、各会話の最後に一つ用意する
- ✅ 誤回答・未解決・有人引き継ぎを確認する方法を決める
小さく始める実装手順
最初からすべてのケースを自動化する必要はありません。対象を絞り、設定した内容が実際の会話で機能するかを確認してから範囲を広げます。
- 1. 会話で分岐する条件を、観察できる言葉で書き出す
実際の設定では、担当者が判断できる言葉に置き換え、設定後にテスト質問で確認します。 - 2. 条件ごとに回答・確認質問・次の行動を一つずつ決める
実際の設定では、担当者が判断できる言葉に置き換え、設定後にテスト質問で確認します。 - 3. 条件が重なった場合の優先順位と初期回答を決める
実際の設定では、担当者が判断できる言葉に置き換え、設定後にテスト質問で確認します。 - 4. 想定質問と境界ケースを使ってテストし、ログで修正する
実際の設定では、担当者が判断できる言葉に置き換え、設定後にテスト質問で確認します。
テストでは、理想的な質問だけでなく、情報が足りない質問・言い換え・複数の要望が混ざった質問も使います。回答できない場合に、無理に答えず確認質問や有人対応へ切り替えられることまでが導入の完了条件です。
運用で見るべき指標
記事のテーマに関係する成果だけでなく、会話の品質も一緒に確認します。最低限、会話数、目的の回答まで進んだ割合、未解決になった質問、有人引き継ぎの件数を同じ期間で見てください。
数字が悪いときは、いきなりAIの性格やプロンプト全体を変えず、どの質問・どの案内・どのリンクで止まったかを一つずつ確認します。原因が情報不足ならナレッジを、導線の問題なら質問順序を、判断が必要な相談なら引き継ぎ条件を修正します。
失敗しやすいパターンと直し方
条件を増やしすぎたり、同じ指示を複数箇所に書いたりすると、回答が不安定になります。頻度の高い分岐に絞り、例外は有人対応へ渡す方が管理しやすくなります。
もう一つの失敗は、設定した人だけが内容を理解し、現場の担当者が修正できない状態です。変更した理由・対象範囲・確認したテスト質問を短く記録し、更新担当が同じ手順で見直せるようにします。
反対に、すべてを有人対応へ戻す必要もありません。AIが安定して答えられる範囲を残し、判断が必要な境界だけを人へ渡すことで、品質と効率の両方を調整できます。
よくある質問
Q1. 最初からすべての問い合わせをAIに任せるべきですか?
いいえ。頻度が高く、回答の根拠が明確な相談から始めます。個別判断や契約に関わる相談は、必要な確認事項を示して担当者へ引き継ぐ設計が安全です。
Q2. 設定を変更したら、何を確認すればよいですか?
代表的な質問、情報が不足した質問、回答できない質問の3種類でテストします。回答内容だけでなく、次のリンクや有人対応への切り替えが意図どおりかも確認してください。
Q3. 既存のナレッジはそのまま使えますか?
そのまま登録するのではなく、古い情報・重複・条件付きの説明を整理してから使います。回答の正本と更新担当を決めておくと、後から修正しやすくなります。
Q4. AIで対応できない相談はどうすればよいですか?
対応できないことを明確に伝え、担当者へ渡すために必要な情報と相談方法を案内します。曖昧な回答を続けるより、引き継ぎ条件を明示する方が信頼を保ちやすくなります。
関連ガイド
- AIスタッフの性格設定:今回のテーマと一緒に確認しておきたい関連ガイドです。
- 顧客ごとの出し分け:今回のテーマと一緒に確認しておきたい関連ガイドです。
- リード獲得への応用:今回のテーマと一緒に確認しておきたい関連ガイドです。
判断に迷ったときの優先順位
運用中に「AIで答えるか、人へ渡すか」を迷った場合は、まず安全性と正確性を確認し、次にお客様が今必要としている情報を考え、最後に自動化による効率を検討します。効率を優先して誤案内を残すと、後から修正するコストが大きくなるためです。
- 事実確認が必要な内容や個別判断は、根拠を確認できなければ担当者へ渡す
- 回答できる内容でも、条件によって結論が変わる場合は確認質問を先に置く
- 同じ質問が繰り返される場合は、回答を増やす前にナレッジの正本を見直す
- 成果が下がったときは、会話数だけでなく未解決と離脱の位置を確認する
担当者へ引き継ぐ情報テンプレート
有人対応へ渡すときは、会話全文をそのまま送るのではなく、次の情報を短く整理すると担当者がすぐ対応できます。項目は業務に合わせて減らして構いませんが、何を相談し、どこまで確認し、次に何を望んでいるかは残します。
- 相談の目的:お客様が解決したいこと
- 現在の状況:利用中のサービス、検討段階、発生している問題
- 確認済みの情報:AIが案内した内容と、お客様の回答
- 未確認の事項:担当者が追加で確認する必要がある点
- 次の希望:電話、メール、予約、資料送付などの希望する連絡方法
公開後7日間の見直し
公開直後は、成果が出たかだけでなく、想定外の質問がどこで発生したかを確認します。1日目は自分で代表質問を試し、3日目は未解決ログを分類し、7日目に回答・導線・引き継ぎ条件のいずれを直すかを決めます。変更した箇所とテスト結果を記録しておけば、次の更新で同じ原因を調べ直さずに済みます。
- 代表質問と境界ケースを実際の画面で確認する
- 未解決・離脱・有人引き継ぎの会話を原因別に分ける
- 最も影響の大きい1箇所だけを修正する
- 修正前と同じ質問で再テストする
- 変更日・変更理由・確認者を運用記録に残す
導入判断のための確認質問
Deep Logic Promptは長い指示文を書くための機能ではありません。質問の条件と、条件に応じて変える回答・次の行動を整理するために使います。この方針を実際の業務へ取り入れるか判断するときは、機能の多さではなく、今ある問い合わせのどこを改善したいのかを先に確認します。目的が曖昧なまま設定を増やすと、導入後に成果を測れず、回答の修正も場当たり的になりやすいためです。
担当者間で合意しておく質問
- この仕組みで、最初に減らしたい作業や解消したい不安は何か
- お客様が自分で解決できる範囲と、専門家の判断が必要な範囲はどこか
- 回答の正しさを確認できる資料や画面はどれか
- 情報が古くなったとき、誰が、どの頻度で更新するか
- AIから担当者へ渡すとき、担当者が最初に知るべき情報は何か
- 公開後に改善の優先順位を決める人は誰か
現場で使う運用メモ
設定を公開した後は、回答の内容だけでなく、その回答がどのページや会話の入口から始まったかも記録します。同じ質問でも、初回訪問者と既存のお客様では必要な説明が変わることがあります。入口、質問、回答、次の行動を一組で残すと、どの部分を直すべきかをチームで共有しやすくなります。
また、改善のために個人情報を必要以上に保存しないことも重要です。分析に必要な項目だけを定め、閲覧できる担当者と保管期間を決めます。不要な情報を集めない設計は、運用負担を下げるだけでなく、お客様へ説明するときの分かりやすさにもつながります。
更新時には「何を変えたか」だけでなく、「なぜ変えたか」「どの質問で確認したか」「変更後に何を観察するか」を短く残します。将来、数値が変化したときに原因を追跡でき、別の担当者へ引き継ぐ場合も判断の背景が失われません。
改善前後を比べる方法
改善の効果を確認するときは、変更前と変更後で対象期間や質問の条件をそろえます。会話数が違うだけで良し悪しを判断せず、目的の回答へ進んだ割合、未解決になった割合、担当者へ渡った割合を同じ単位で比較してください。短期間の結果だけで結論を出さず、想定外の質問が増えていないかも確認します。
- 改善したい会話の種類と、観察する期間を決める
- 変更前の代表的な質問と指標を記録する
- 一度に変更する要素を一つに絞る
- 変更後に同じ質問と境界ケースで確認する
- 結果と次の仮説を記録し、次回の改善につなげる
数字が上がっても、回答の分かりにくさや引き継ぎの遅れが増えていれば、品質が改善したとはいえません。お客様が次の行動へ進めたか、担当者が状況を理解して対応できたかまでを確認して、記事で紹介する手順を自社の運用へ合わせて調整してください。